『ピアニストを撃て』
神保町シアター、トリュフォー特集。『ピアニストを撃て』。1960年の作品。
冒頭、追われている男からのショットで、ヒッチコック・タッチでわくわくするのだが、倒れた際に助けられた男と歩きながら交わす会話は、結婚生活の愚痴のような暢気なもので、別れるとまた走って逃げていく。逃げ込んだ先は、弟がピアノを弾いている酒場で、そこから物語は、弟のピアニストの方へ移行する。
ピアニストもまた追われる身となり、女性と一緒に逃げる時も、突然、ここで腕を女の腰に回すべきかなどと、関係ない心理描写を挿入したりする。
映画の定石をわざと外してみせる展開が、いわゆるヌーヴェル・ヴァーグの真骨頂だったのかもしれない。
その即興的で自由なスタイルが、今観ても新鮮である。
シャルル・アズナヴールがピアニスト。
ラストの銃撃戦、女が撃たれて雪上を滑り落ちるショットは、サイレント映画の雰囲気。(グリフィス?)
一度、学生の時に観た映画だったかも。(かなり曖昧)
フランソワ・トリュフォーDVD-BOX「14の恋の物語」[II]
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