10月国立劇場

kenboutei2013-10-06

無人幸四郎一座。当日券二階最前列ど真ん中で観る。
『一谷嫩軍記』
「陣門」、「組討」は、退屈でうとうと。染五郎の小次郎は、花道の出から精彩を欠く。すっきりとせず、野暮ったい。台詞の調子も悪い。ニンに合う役かと思っていたが、期待外れ。
笑也が玉織姫だが印象薄い。錦吾の平山武者所
「熊谷陣屋」、いつもの幸四郎芝居。最初の七三の思い入れはまずまず。制札の読みは首を上下に大げさ過ぎ、木戸の外側で草履を脱ぎ、相模を見て顔をブルブルさせ袴をポン。
二重に上がっての熊谷の立ち位置が前過ぎる。また、物語の後、藤の方との間にに置かれていた二本の刀を後見が熊谷の手元までずらしていたのが、目障りだった。いつもこうだっただろうか?
魁春の相模、打掛を脱ぐ所作が雑。
藤の方は高麗蔵で硬い。義経を友右衛門が初役で務めるが、台詞に詰まる場面もあった。
左団次の弥陀六は本役だが、この座組では不釣り合いだった。
二階から見ると役者の居所などがわかりやすく、新鮮であった。

『春興鏡獅子』
染五郎5年前の初役以来の「鏡獅子」か。
弥生は腰の入れ方が浅く、ふわっと軽い感じがする。獅子は迫力不足。金太郎、團子の胡蝶に観客が注目するのもむべなるかな。團子が海老反りの姿勢の時、上半身を支えきれず、倒れてしまった。金太郎の方に一日の長か。
毛振りの時の、所作台が正面向きでなく、やや斜めに位置しており、幕切れの染五郎も観客に正対していなかったのが、気になった。