『あこがれ』

kenboutei2009-09-13

昔の日本映画専門かと思っていた神保町シアターが、突然、トリュフォー特集。こういう企画も嬉しい。さすがに、客層は今までとは少し違っていた。
『あこがれ』は、トリュフォーの20分程度の短編。実質的なデビュー作とか。
一人の魅惑的な若い女性を子供の集団が始終追い回す変態ストーカー映画、と言ってしまっては元も子もないが、トリュフォーの子供の頃の体験や妄想を、そのまんま映画にしたという意味では、とても潔く、清々しささえ感じる。(原作はあるようだが、トリュフォーの私映画としか思えなかった。)
何しろ、子供たちが憧れる女性は、裸足にスカート姿で自転車に乗り、そのスピードでスカートをひるがえし、太ももも露のまま、森の中を駆け抜け、水浴びをするのである。
そして、子供たちは、娘が乗り捨てた自転車のサドルの匂いを懸命に嗅ぐ。日本の小学生男児が、放課後にこっそり好きな女の子の机の中のリコーダーに口をつけるのとまるで同じだ。
娘がテニスする場面では、ひたすら揺れるバストしか映さない。
そんなトリュフォーが好きだ。

↑以前は品切れで高値になっていたボックスが再発されていたので、この機会に揃えよう。