正月新橋演舞場 海老蔵の景清

kenboutei2014-01-19

海老蔵『壽三升景清』
歌舞伎十八番のうち、景清が出てくる『関羽』、『鎌髭』、『景清』、『解脱』の四つを一つにまとめた通し狂言。着想は面白く、また海老蔵には陰りを内面に秘めた(四代目團十郎のような)景清が良く似合うのではないかと、以前から早く『景清』をやって欲しいと思っていた。(海老蔵歌舞伎十八番といえば、他にも『矢の根』を早く観たいのだが。)
手際良くまとめた手腕は評価できるが、内容が乏しく、絵面にしても巨大海老を海老蔵が持ち上げる場面しか面白いところはなかった。
冒頭、鎌倉幕府と対峙する景清のキャラクター紹介(?)の場が設けられたその後に、三国志の世界の『関羽』となったので、少し混乱した。また、『景清』では口元の藍隈がなくなっていたのも、やや疑問。『解脱』は、すっかり景清らしさがなくなり、ABKAIで観た『蛇柳』の前シテみたいであった。
面白い企画ではあったが、海老蔵には、腰を据えた歌舞伎十八番に取り組むことを期待したい。(それは、決して上演されなくなった演目の復活ではない。)
終了時間が思っていたより早く、助かった。