前進座

前進座 五月国立劇場公演

前進座恒例の国立劇場公演。今回は「国立劇場大劇場出演三十回記念」と銘打っている。色々考えるものだ。 しかし、開幕の「口上」は、この場だけ出場予定の梅之助が体調不良で休演。矢之輔が代わりに口上。圭史が次の幕の準備があって出られないとはいえ、や…

前進座5月公演『秋葉権現廻船噺』

国立劇場での前進座5月公演。 『唐茄子屋』 落語が題材の世話物。勘当された放蕩息子が、叔父さんの世話で唐茄子売りとなり、下町長屋の住人の親切に触れて改心する人情噺。放蕩息子に芳三郎、叔父さんに村田吉次郎、叔母さんがいまむらいずみ、長屋の住人…

国立劇場 前進座『切られお富』

今年は特にチェックもしていなかった、五月の前進座、国立劇場公演だが、昨日、文楽を観に国立に行ってみて、隣で上演中なのを知る。文楽一部が終わっても、夕方の部には間に合うようだったので、急遽、当日券を購入。(現金の持ち合わせが足りず、文楽の休…

『阿部一族』

神保町シアター。 前進座の舞台『阿部一族』は、以前BSの特集で観て、その時の長十郎の台詞、「情けは情け、義は義だ」の台詞廻し、イントネーションにすっかり酔ってしまい、そこだけ繰り返し観ながら、自分でも真似て言ってみたりした記憶がある。その舞台…

『心中天網島』

神保町シアターは、今日から新しい企画、「浪花の映画の物語」。大阪を舞台にした映画の特集。 さっそく、11時の回の『心中天網島』を観る。篠田正治監督。 篠田監督が、脚本の富岡多恵子に、ラストの心中場面のロケ地のことを電話で話している場面から始ま…

前進座の『俊寛』

数年振りの吉祥寺、前進座劇場。昔の記憶で行けるかなと思っていたが、駅に降りて見当がつかず、交番で道順を教えてもらい、辿り着く。こんなに遠かったかなあ。自宅を出て、ちょうど一時間。 当日券を購入し、少し時間があったので、劇場の裏手に回る。予想…

前進座・五月国立公演

新橋から三宅坂へ。タクシーは遠回りして、わざわざ赤坂方面から入り、余計な金と時間がかかった。 五月の自分の土日のスケジュールを考えると、今日、新橋演舞場とハシゴする以外に観る機会は作れない。当日券で一等一階席。 『毛抜』嵐圭史の粂寺弾正。そ…

あれこれ注文

あのころの未来―星新一の預言 (新潮文庫)作者: 最相葉月出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (35件) を見る天国からの道 (新潮文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/…

長十郎追悼記事

演博の閲覧室にあった『演劇界』のバックナンバーから、長十郎の亡くなった頃の記事を探してみる。 昭和56年の11月号か12月号に、野口達二の「河原崎長十郎を悼む」という記事があった。 わずか1ページで、写真も白黒の小さなもの。追悼特集のようなものが…

芳三郎自伝

読了。役者の書置き―女形・演技ノートposted with amazlet on 07.01.22嵐 芳三郎 岩波書店 Amazon.co.jp で詳細を見る六代目嵐芳三郎の自伝。といっても後半は持ち役だった『鳴神』絶間姫の演技ノートで、自伝自体は100ページ程度。 芳三郎は五代目の長男で…

長十郎自伝『ふりかえって前へ進む』

読了。ふりかえって前へ進むposted with amazlet on 06.12.23河原崎 長十郎 講談社 Amazon.co.jp で詳細を見る少し前に、歌舞伎座近くの古書店で見つけ、慌てて購入したもの。 河原崎長十郎による自伝であり、書き上げた直後の昭和56年9月に、長十郎は急逝…

『宮本武蔵』

今日は映画に歌舞伎と忙しい。来月の文楽チケットの電話に20分かかった後、すぐに自転車で京橋へ。午前11時の回は初回なので、ロビーに並ぶことなく、直接入場できたが、今日も8割以上は埋まっていた。何だか同じ顔ぶれのようでもある。 今回のフィルムセン…

昭和42年10月、11月

歌舞伎座に行く前に、図書館に寄って、朝日新聞の縮刷版を閲覧。 前月の長十郎離脱を受けて、その後の展開がどうなったか調べたが、10月は全く記事がなく、11月は、騒動後初の東京公演となった読売ホールの『佐倉義民伝』の記事と、翌月の『ハモニカ物語』の…

昭和42年9月

会社帰り、図書館に寄り、朝日新聞の縮刷版を閲覧。 今日は、長十郎が前進座を一方的に非難する談話を発表し、その後中国の国慶節に参列するため出国した、昭和42年9月の記事を読む。 この前月に共産党に離党届けを出し、病気休養していた長十郎は、いつも…

「舞曲扇林」第二号覚え書き

備忘のため、一部抜粋。 p18 彼(永井荷風)は左團次に云っていた。 「そりゃあねえ、僕だって、今、どの株を買っておけば儲かるぐらいのことは解るけれどねえ…あの株上ったの、下ったのと云うようなことがどうもいやなんですよ…」 左團次も、いつものにこや…

前進座 五月国立劇場

前進座の舞台を観るのは三年前の『髪結新三』以来。最近、前進座(並びに長十郎)に嵌りつつあるので、今回は、これまで以上に楽しみであった。南北と黙阿弥を同時に出すという大胆さもこの劇団ならでは。 『謎帯一寸徳兵衛』初めて観る芝居。『夏祭』の書替…

『舞曲扇林』入手

午後、アキバ経由で神保町。 先日郵送されてきた浮世絵のカタログを頼りに、役者絵を買おうかと思い、いつもの古書店へ行ったのだが、休み。仕方がないので、歌舞伎関連の店に寄る。 以前に来た時見つけた、長十郎の『舞曲扇林』がまだあった。紐で括られ、…

古本は痒い

前進座について調べるため、何冊か古本や古雑誌を購入したのだが、これを読む度に身体がムズ痒くなる。ベットで寝る前に読んでいると、読み終わっても鼻や口の周辺がムズムズして、眠りを妨げることすらあった。 今は、長十郎の『勧進帳』を読み終わり、『前…

『人情紙風船』

年明けから、前進座に夢中になっている。翫右衛門の自伝を読みつつ、昔録画していた前進座のビデオを観て、その面白さ、凄さに驚嘆しているところである。 この後、先日古書店で手に入れた、長十郎の『勧進帳』も読んで、落ち着いたら一度「総括」してみよう…

『河内山宗俊』

山中貞雄の『河内山宗俊』を観る。 学生時代に観た時は、まだ歌舞伎のことなど何も知らなかったので、河内山や直侍はもちろん、河原崎長十郎や中村翫右衛門が何者かという知識さえなかった。ただ、原節子が可愛い!と喜んでいただけだったような気がする。今…

『元禄忠臣蔵』(前後編)

松竹110周年記念イベントの一つ。シネスイッチ銀座。忠臣蔵で、監督が溝口健二とあれば、めまいがあろうと行かねばなるまい。 真山青果の、歌舞伎でもお馴染みの原作を忠実に映画化したとのことで、前編冒頭は、いきなり殿中の刃傷で始まり、後編では討入り…