11月新橋演舞場・昼の部

kenboutei2011-11-13

『吃又』三津五郎の又平、時蔵のおとく。意外と平凡な一幕。三津五郎は、あまり吃りを強調せず、かといって心理的でもなく、自然体ではあるが、どこか物足りなかった。「かか、抜けた」は、声を張る。
彦三郎の将監と秀調の北の方は、手堅い。松也の修理之助。
手水鉢の石の絵が、タイミングが合わなかったのか、三津五郎が「抜けた」と叫んでも、まだ全部描ききれていなかった。
板付きで幕は、やはり寂しい。
吉野山松緑菊之助
菊之助の静は、出の花道の歩みに雰囲気がなかった。意図しているわけではないだろうが、表情がややニヤけて見えるのも難。一方、松緑の忠信は、随分大人の顔つきとなったものだ。本舞台に入ってから、片膝をつき、もう一方の足を伸ばす姿形が良い。踊りもキッパリし、安心して観ていられる。
昼の部では一番。この二人は、菊五郎劇団の看板コンビとして成長してほしい。
『魚屋宗五郎』菊五郎の宗五郎。時蔵のおはま、松緑の三吉、菊之助のおなぎ、團蔵の親父、三津五郎の磯部。劇団としては鉄板の配役。おかしなところはないが、普通すぎて面白みがなかった。