10月新橋演舞場・夜の部『小栗判官』通し

kenboutei2011-10-17

昨日、国立の後、ハシゴで観る。2階の前方席。
亀治郎澤瀉屋一門に獅童を加えての『當世流小栗判官』。猿之助版で観るのは、平成18年の国立以来。どういうわけか、これが芸術祭参加公演。
国立の時は、一部二部と分けて上演していたが、今回は夜の部のみ、時間も短く、よりコンパクトになったようだ。どこが変わったかを指摘できる程、前観た時のことを覚えていないのだが、小栗物には欠かせない、照手姫の車曳きの件が、かなり薄味になった気がするが、前もそうだったのかもしれない。全体的に、説教節由来の神秘性や暗さは舞台からは一切排除され、あくまでエンターテインメントに徹している。(そういう意味では、スーパー歌舞伎の『オグリ』の方が、日本古来の伝説ロマンや土着的な匂いがあって、これは原作が梅原猛だったからなのだろう。)
亀治郎小栗判官、浪七にお駒も演じ、早替わりで楽しませる。
笑也の照手姫はさすがにこういう芝居では安定。
段四郎休演で右近が大膳を務める。
客演の獅童が矢橋の橋蔵。「昼の部では一心太助だったのに」と嘆き、仕込みのような大向こうへの反応で沸かせる。引っ込みでは、自分が出演しているCMの音楽(「細マッチョ」とかいうやつ)で退場。