紀尾井ホール・宮薗節

kenboutei2009-11-16

紀尾井ホールでの「江戸音楽の巨匠たち」、第八回。取り上げたのは、宮薗節の宮薗鸞鳳軒
竹内・渡辺コンビのラスト回でもある。
今回の二人の対談は、なかなかスリリングな展開。それは、竹内先生の脱線的な話を渡辺先生が制限時間内に抑えられるかという、いつものスリリングさとは違い、宮薗節の系譜を巡る謎に踏み込んだという点で、なかなか興味深かったということである。
薗八節と言われ、その二代目宮古路薗八を継いで、後に宮薗鸞鳳軒と名乗った経緯を、宮薗節の系譜を記した江戸時代の本の初版と再版とで記述が違うという指摘から、繙いていく、二人の会話に引き込まれていった。
宮薗節は、十曲ほどしか現在残っていないそうだが、それは鸞鳳軒があまりにも超絶技巧であったため、弟子が唄いやすい曲しか残らなかったのではないかというのが、竹内先生の推測。
後半の実演は、「道行菜種の乱咲(山崎)」と「鳥辺山」の二曲。
「鳥辺山」では、花柳基と花柳小三郎による舞踊がついた。このシリーズでは初めてのこと。花柳基の縫之助が、なかなか良かった。(別の席で観ていた知り合いの方は酷評していたが・・・)