国立劇場12月文楽鑑賞教室

kenboutei2008-12-14

寺子屋はBプロを鑑賞。
寺入りの段の咲甫大夫、声量は師匠譲りで豊か。どことなく上っ面な語りで情が薄いのも、師匠に似ている。
寺子屋の段は津駒大夫。オクリの後の「引き連れ、急ぎ往く」が、女性的で艶っぽい声質の津駒にしては重厚な語り出しで、ちょっと身を乗り出した。
これまでの津駒大夫にはあまり感じなかったことだが、住大夫の語りに近くなっており、特に低音に力が入ってきたところに、精進の後が伺えると思った。
残念なのは、詞になると不調で、特に戸浪、千代の二人の女房の語りに、色気がない。(地の文は割合良いのだが。)
後半はヘタッたようだが、いろは送りは頑張っていた(会場は全然盛り上がらなかったが)。
解説は相子大夫と清𠀋。昨年と同じ漫才コンビ
相子大夫が『菅原』のあらすじを、イラストを使って一生懸命説明していたが、鑑賞教室でこの演目は、やはり無理があるのではないだろうか。
その前に『二人三番叟』。
後ろの一列を占領していた若い男性客の集団(昼でも「おはよう」と挨拶していたが、演劇の勉強でもしているのかもしれない。)は、最初から最後まで居眠りしており(そもそも興味がなく、義務的に来ていて早く帰りたがっていたのが、休憩中の会話で知れた。)、案外そういう客層は多いようで、いつも満員だからといって、文楽が定着していると思うと、大きな誤りかもしれない。