『ギララの逆襲』

kenboutei2008-07-30

銀座シネパトスで、『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』を観る。
なかなかの佳品。
松竹の怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』の続編ということらしいが、伊福部昭風のマーチといい、冒頭タイトルロールのキャストの字体のタッチなどは、むしろ東宝テイスト。(河崎実監督の字体だけが直筆となっていた。)
ハヤタ隊員の黒部進に、ウルトラマンスーツアクターにしてアマギ隊員の古谷敏、そしてキャプテンウルトラの中田博久が共演するという、憎いキャスティング。
洞爺湖サミットを舞台に、今の国際情勢をうまく皮肉っていて、無難なものが多い日本映画の中では案外毒があり、面白かった。この辺は、外国人にも受けるだろう。
あえて着ぐるみ怪獣で、独特のチープ感を出しているのも評価できるが、実は「怪獣映画」を借りたパロディ映画でしかなかったのも事実で、往年の「タケちゃんマン」の映画化と言った方が正確である。予算の関係もあるだろうが、怪獣ギララが主役ではなかったのが残念であった。(ギララ以外の怪獣でも成立するような、作り方であった。)
いかにもひょうきん族世代が作った映画であり、そういう意味では、現代感覚で作られているようでいて、ちょっと古めかしい部分も感じた。
加藤夏希が、しっかり「ネチコマ」の踊りを踊っているのがエラい。
銀座のシネパトスは、地下鉄が通過するたびに、館内が震動するのだが、こういう怪獣映画を観るには非常に相応しい。(不思議なサラウンド感覚があった。)