『アパッチの怒り』

kenboutei2008-07-28

ぴあフィルムフェスティバルダグラス・サーク特集で、『アパッチの怒り』。渋谷東急。
インディアン対白人の典型的な西部劇だが、アパッチ族の部族間対立を織り交ぜ、また、本物の先住民の風俗を描いている点が、当時の西部劇としては珍しかったのかもしれない。
ロック・ハドソンのインディアンは、その風貌が『ランボー』のスタローンそっくりだった。(といいながら、『ランボー』シリーズは一本も観ていないのだが。)
当時開発されたばかりの3D方式で撮影されたそうで、画面に向かって石を投げるなど、それを意識したショットもいくつかあった。
白人の若い女性が、アパッチ族の投げ槍で胸のど真ん中を突き刺されて、あっさり殺されるという、ドン・シーゲルばりに冷酷なショットもあった。後半の銃撃戦なども、なかなかの迫力。
ただ残念なのは、フィルムがかなり色褪せ赤味がかっていたことで、西部の岩肌が、火星の地表に思えるほどであった。サークの映像は、魅力ある自然の情景に溢れていて、もしオリジナルの色で観られていたなら、もっと印象は違っていただろう。(昔、アテネ・フランセ文化センターで観た『大砂塵』が、こんな色になっていたなあ。)
ダグラス・サークの映画は、DVDボックスは取り寄せたものの、まだ一本も観ておらず、初めて観るサーク作品がこの『アパッチの怒り』であったことが、果たして正解だったのか、それはいずれわかるだろう。
谷東急は初めて来たが、駅前といいつつ、結構遠いし、場所がわかりにくかった。