目玉の松ちゃん

京橋のフィルムセンターで、「尾上松之助と時代劇スターの系譜」展。八丁堀に用事があったついでに寄る。
夕方だったので、あまり時間がなく、その上、目的の尾上松之助の前に常設展示があって、これも初めてだったので、思わず時間をとられ、余計に慌ただしくなってしまった。
その常設展で驚いたのは、1910年代に行われた南極探検の記録映画。その時代に日本人が南極に行っていたのも初めて知ったが(「第二次」と称していたので、その前にも行っているのだろう)、そこで、アザラシやペンギンを追い掛け回し、平気で足蹴にしたりしている我が日本人。今なら完全な動物虐待だが、当時は全くそんな感覚はないようで、あっけらかんとしていて、観ているこちらもつい微笑ましく思えてしまったのは、ちょっと不謹慎か。
常設展だけでも時間が足りないことに気づき、後半はやり過ごし、奥の松之助展へ。
ここもじっくりは観れなかったが、面白かったのは、松之助の葬儀の実況映画。京都を奴行列で練り歩き、見物人は20万人。棺は土葬され、参列者が少しずつ土をかけていく。不思議な当時の風習と共に、松之助の人気の凄まじさの一端をようやく垣間見た。
土曜日なのに、展示室の客は、他に一人だけ。ほぼ貸し切り状態なのは、それは快適だが、これでいいのか。退屈そうに周回する警備のじいさんと、つい先ほどあった地震の話を電話でしている受付嬢。典型的なお役所運営でした。(でも200円なので、また観に行こう。)