『座頭市物語』

昨日観た映画。神保町シアターで『驟雨』を観た後、京橋のフィルムセンターで。地下鉄の乗り継ぎが、案外不便であった。（京橋駅で降りてからも、方角を間違えた。）
勝新太郎の座頭市シリーズ第一作、自分もこのシリーズを観るのは初めて。三隅研次監督。
勝新の魅力もさることながら、共演しているヤクザの親分、柳栄二郎が、何といっても素晴らしい。キップのいい喋りっぷりは、『歌行燈』の次郎蔵そのまま。うまい役者だなあ。
更に、座頭市のライバルとなる相手方の用心棒、天知茂も格好良い。クールでニヒル、釣り竿を持って歩く様は、そのまま隠亡堀の伊右衛門である。実際、中川信夫の『東海道四谷怪談』より、こっちの天知茂の方が、民谷伊右衛門のイメージに近いと思う。
おでん屋の娘役の万里昌代が、切れ味のある美貌で、なかなか良かった。
音楽は伊福部昭。
冒頭の、丁半博打が痛快。
敵対するヤクザ二人を切り倒した時、それを見にきた天知茂と敵の親分の背中を手前にして、奥の方で月明かりと霧の中に浮かぶ勝新の姿が、何とも幻想的で美しかった。（まるで特撮スーパーヒーローのような佇まいであった。）

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