宗十郎

今月の歌舞伎チャンネルで放映されている「芸に生きる」の、澤村宗十郎の回を観る。
昨年正月に歌舞チャを導入してからでは、宗十郎の登場はこれが初めて。
1997年の収録で、この年は「宗十郎の会」を体調不良で中止した年である。(但し、番組ではまだそのことには触れておらず、準備段階での収録だったのだろう。最後の方で鈴木治彦から無造作に「少し痩せた?」と聞かれて、「自然に痩せた」「自分には神様がついている」と答えているのが、今観ると、とてもつらくて悲しい。)
鷹揚でユーモア溢れる口調、雰囲気は、舞台の上とちっとも変わらない。自分の芸の手本が女形が六代目梅幸、立役が十五代目羽左衛門としているところが、いかにも宗十郎らしい。
「籠釣瓶」や「河庄」、「法界坊」など、これから演じてみたいと言っていた役の数々を、叶うことなら是非観たかった。
(それにしても鈴木治彦は、相変わらず聞き手としては上手くないなあ。話の流れの中で聞いてほしいと思うツボを、ことごとく外すので、イライラする。)