江戸博・北斎展

kenboutei2008-01-26

江戸東京博物館の開館15周年記念として開催していた、北斎の特別展。明日が最終日ということで、慌てて駆けつける。
夕方5時頃に着き、2時間程堪能。
今回は、当時長崎の出島に滞在していたオランダ人が、北斎らに注文して描かせ、ヨーロッパに持ち帰ったコレクションが中心。それらは、日本の風俗の紹介を目的とした肉筆画で、いわゆる北斎工房の作品として知られているとのことだが、もちろん、自分は初めて目にしたものばかりであった。全てが北斎の手によるものではないとのことだが、中には北斎自身が描いたものもあるらしい。


構図の共通性は指摘されているものの、どの絵も、見慣れている北斎のイメージとは相当異なる画風で、戸惑いを覚える。色使いや繊細な筆致は見事なものだが、北斎独特の躍動感が全くない。何だか外国人のリクエストに媚びた、「お土産品」のようであった。
それでも、肉筆大首絵の「町屋の娘」や、水中での鮑取りを描いた「海女」などは、興味深かった。
 
展示の後半は、お馴染みのビッグ・ウェーブや赤富士などの木版画、肉筆画、北斎漫画など。

やはり、「国内向け」の方が、ずっと楽しい。