六月歌舞伎座・夜の部

kenboutei2007-06-24

十分睡眠はとって臨んだはずなのに、始終眠くて仕方がなかった、今宵の歌舞伎座
『御浜御殿』昨年末に国立でやったばかり、いささか食傷気味。しかし、最初の埃鎮めの綱引きは、あまり観た記憶がなかった。仁左衛門の綱豊は安定しているが、相手の染五郎がまだ青果の台詞術を身につけていないため、舞台としては面白味に欠いた。芝雀のお喜世がなかなか良かった。
『加賀鳶』幸四郎の道玄、吉右衛門の松蔵。ついこの前までは考えられない配役。この二人が出ているだけで、舞台の空気が濃厚となる。幸四郎の道玄は、初役時も良かったが、今回は既に手に入った感じ。その分、少し砕けすぎのきらいもあったが。上方の秀太郎のお兼が、案外の上出来。福助に見習わせたいものだ。
船弁慶染五郎の静と知盛。とにかく前シテの静がひどかった。動きも形も何だか変。腰がどこにあるのかもわからない。西洋人が歌舞伎の真似をしているようなチグハグ感、違和感があった。後シテの知盛になると、さすがにまだ見栄えはした。最後の花道引っ込みが迫力。富十郎とはまた違った型のようだ。