『最後の戦い』

kenboutei2007-01-28

リュック・ベンソンの長編デビュー作。
確か、アヴォリアッツの映画祭の模様を紹介した『スターログ』での記事が非常に熱く(中子真治だったかな?)、妙に印象に残っていたのだが、たまたまDVDを見つけたので買っておいたもの。リュック・ベンソンという監督の名も、この『最後の戦い』の監督としてずっと記憶している。(実際、『フィフス・エレメント』をアメリカで観た以外、他の作品は全く観ていない。)
廃墟と化したオフィスの片隅で、主人公の男(ピエール・ジョリヴェ)がダッチワイフ相手に自慰行為をする場面から始まる。設定は、終末戦争後に残された人類のサバイバルのようだが、全編通じて全く台詞がなく(残された人類は、言葉を発せないらしい)、所々に挿入される、ちょっと時代遅れな音楽だけで話を進める。
映像はモノクロではあるが、サイレント映画ともまた違う、不思議な感覚。
メビウスの漫画を観ているような気分にもなった。(砂漠の風景や、飛行機での脱出のイメージは、まさにメビウス。リュック・ベンソンとメビウスといえば、『フィフス・エレメント』が有名だが、それ以前にも何か関係があったのだろうか。)
途中から出てくる診療所の医者(ジャン・ブイーズ)が、イッセー尾形に雰囲気が似ていて、面白かった。(主人公の男と卓球をする場面など、独特なユーモア感覚。)
敵役のジャン・レノが怪演。

最後の戦い
最後の戦い
posted with amazlet on 07.01.28
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン (2004/06/25)