勘九郎ファイナル歌舞伎

kenboutei2004-12-23

朝9時から並んで、当日券で歌舞伎座通し。前に30人くらい並んでいたが、昼は一等の花道横、夜は一等の補助席がとれた。しかし、一時間も立ちっぱなしで並ぶのは疲れる。寒かったし。
昼の部。
「嫗山姥」前に時蔵の八重桐で観た時は、その古怪さが死んだ宗十郎のイメージに似ていて良かった記憶がある。今日の福助も、見た目はすっきりとしていて、紙衣姿が良く似合い、どこか鈴木春信の錦絵に出てくる女性の雰囲気があった。が、振りがいちいち大げさで、白けてしまった。
「身替座禅」勘九郎の右京は可愛げがあった。よく出る狂言なので、最近は食傷気味です。
「梅ごよみ」多分はじめて観る。玉三郎勘九郎の対決が面白い。一種の女伊達もの。ただ、勘九郎の芸者はちょっとおばさんぽかった。
夜の部。
「鈴ヶ森」ほぼ熟睡。
阿国歌舞伎」玉三郎の美しい踊りに釘付け状態。恍惚の舞台。澤瀉屋女形に混じって、芝のぶが奮闘。
「たぬき」新橋演舞場團十郎で観て以来2度目だったが、今回の方が断然面白い。特に、序幕の三津五郎と助五郎のやりとりが非常に深みがあって良かった。
「今昔桃太郎」勘九郎として最後の舞台。始めのうちは、まるで俳優祭の滑稽劇だなあ、と思いながら観ていたが、勘九郎の舞踊メドレーあたりから、単に勘九郎ファンへの御馳走だけでない面白味が増していった。特に、齢九十の又五郎の出し方が良かった。外国ならたちまちスタンディング・オベーションとなるような見事なリスペクト演出だった。勘九郎、えらい。
今年最後の観劇、とても良い気分で歌舞伎座を後にできた。