「踊らん哉」

kenboutei2004-11-23

BOXに収録されていなかったアステア=ロジャース映画のDVD、『踊らん哉』。日本中が晴天の休日に、部屋を暗くして観る。
ガーシュインの曲が楽しい。中でも「Let’s Call the Whole Things off」が好きだ。(これは、サッチモとエラが唄うやつも素晴らしいが)
ローラースケートでのダンスも斬新で良かった。特に座っていた二人が、一緒にスーッと滑り出して踊り始めるところが、気に入っている。
もう随分昔、ブロードウェイで、俳優がみんなローラースケートを履いて踊るミュージカルを観たことがあるが(スターライト何とか)、それはただ舞台をぐるぐるとスケートで回るスポーツのようなミュージカルで、女優陣の踊りもエレガンスのかけらもなく、「ジンジャーのようにハイヒールで美しく踊るのがミュージカルというものだろうが」と強く憤った記憶があるが、本家の二人もローラースケートで踊っていたとは知らなかった。しかし、二人はスケートを履いていても、「滑り」ではなく「踊り」を観せてくれるので、楽しかった。ローラースケートでのタップダンスまで披露してくれた。
ラストは、踊っている二人をカメラが俯瞰からどんどん寄って行き、二人はカメラに向ってにこやかに「ホー、ホー、ホー」と「They All Laughed」を唄うところで終わる(上の写真)。実は相変わらずストーリーはくだらないのだが、最後の二人の笑顔で、何もかも忘れてハッピーになれる。変な言い方だが、「くだらなハッピーエンド」といった感じ。このラストシーンは、アステアー=ロジャース映画では、個人的にかなり好きな部類に入る。
マーク・サンドリッチ監督常連の、エドワード・エヴェレット・ホートンとエリック・ブロアのコンビの独特の間合いのギャグが、だんだん身体に馴染んできたようで、今回は結構声を出して笑ってしまった。

踊らん哉
踊らん哉
posted with amazlet at 05.05.07
アイ・ヴィー・シー (2003/05/25)