歌舞伎座顔見世・夜

kenboutei2004-11-16

会社帰りに寄る。「菊畑」は間に合わず。
「吉田屋」鴈治郎の伊左衛門は、わがままなぼんぼんの雰囲気十分。仁左衛門の憎めない明るいキャラとは一味違う上方のこってり感。雀右衛門の夕霧は今一つ。台詞も入っておらず、動きにも精彩を欠く。鴈治郎との絡みも意外なほどつまらなかった。最近の雀右衛門は、高齢のせいか、月によっての出来不出来が激しい。先月のお静の方は素晴らしかったのだが。もう、富十郎との「二人椀久」も観られないかもしれない、とまで思い、一人落ち込んでしまった。
「河内山」仁左衛門初役の宗俊。偽の高僧になっている時がうまい。芝居がばれて本性を表す時は、もっとワイルドでもよい。しかし、梅玉東蔵段四郎左團次と役者が揃って、安心して観ていられた。特に質見世の場が、これまで観た「河内山」の中でも一番良かった。