「ロリータ」

kenboutei2004-09-18

キューブリックの『ロリータ』を観る。(もう20年以上前だが、SF雑誌『スターログ』で、監督の呼び方について「今日からクーブリックと呼ぼう」キャンペーンをしていたのだが、全く浸透しなかったな。)
ナボコフは何も読んでおらず、これが原作通りなのかわからないが(但し脚本はナボコフ自身なので、そう外れたものでもないのだろう)、この映画は完全に谷崎潤一郎の世界である。ネットで調べると、ナボコフの『ロリータ』は1955年。谷崎の『痴人の愛』はそれより30年も前のことだ。もしも『痴人の愛』が世界的に広まっていれば、我々は少女しか愛せない大人のことを、ロリコンではなく、ナオミ・コンプレックスすなわち「ナオコン」と呼んでいたかもしれない。
主役はロリータ役のスー・リオンではなく、彼女を愛する義父役のジェームズ・メイスン。ちょっとミスキャストとも思うが、生真面目さが独特のおかしさに繋がっていた。ピーター・セラーズが怪演。
途中で、キューブリックの映画なのに何故かオーソン・ウェルズの映画だと思い込んでしまっていた。
キューブリックのDVDボックスは、昨年買っていたものだが、『2001年宇宙の旅』しか観ていなかった。これでやっと2本目。全部観終わるのは当分先のことだろう。

ロリータ
ロリータ
posted with amazlet at 04.12.07
ワーナー・ホーム・ビデオ (2001/08/23)
スタンリー・キューブリック DVDコレクターズBOX
ワーナー・ホーム・ビデオ (2001/08/23)