吉田玉男の死

先日の文楽の感想を、その日のうちにアップできずに終わり、翌日出社して、吉田玉男の死を知り、茫然となる。
報道によると、24日の午後零時12分に亡くなったとのこと。
ちょうど、国立劇場では、裏門の段に入った時刻。この後昼休みを挟んで、午後1時過ぎに、簑助の由良助が登場したのだが、この時、簑助は玉男の死を知っていたのだろうか。
玉男の代表作である由良助を、簑助が替わりに初役で遣うことで話題となった東京公演の千秋楽に、玉男は去って行った。
二部と三部の合間に、会場で女性客が涙目で話していたのを目撃したのだが、もしかしたら、このことだったのかもしれない。自分は、全く知らずに、感想でも、もう玉男の由良助は観られないのか、などと無神経に書いてしまったのだが、確かに一昨日は、玉男の不在故に、玉男を意識せざるを得ない忠臣蔵であったことは間違いない。
本当に、吉田玉男の由良助を、二度と目の前で観ることはできなくなってしまったのだ。
自分にとって、この現実を受け入れるには、まだ時間がかかりそうだ。