『マッチスティック・メン』

kenboutei2006-08-07

夏休み最後の思い出に(?)、鑑賞。
中古店でこの作品を買ったのは、安かった(千円台)のと、ジャケットが格好良かったのと、監督がリドリー・スコットだったから。
ニコラス・ケイジの潔癖性な詐欺師をめぐる物語。観客をも欺くドンデン返しを意図した、昔で言えば『スティング』みたいな映画。
観終わって後から振り返ると矛盾にも気がつくが、観ている間はその展開にのめり込む。何の前知識もなければ、それなりに騙されるわけだが、当然ながら、男二人のコンビがスマートなペテンを繰り返し、最後は大金をせしめる大仕事を成し遂げようと話が進めば、過去にそうした類いの映画を記憶している観客は、ラストのひねりを期待して身構える。その結末の是非はあろうが、そこへ行き着く過程の、騙されている心地良さは、間違いなくあった。
ニコラス・ケイジの娘役、アリソン・ローマンがなかなか。14歳の設定なのだが、本人は撮影時22歳とのこと。特典映像で監督も驚いていたが、そういう目で見ると(どういう目だ?)、大人の女性を子供に見せるアメリカン・ポルノ的演出にも見えないことはない。
特典映像のメイキングを見ると、大作映画の片手間に作ったような感じだが、それでもこれほどの作品に仕上げる手腕は凄いものだ。
地方の二本立て映画館で、お目当ての映画より同時上映された知らない映画の方が面白かった、という経験がよくあったが、そういう時の面白かった方の映画として、相応しい。

マッチスティック・メン 特別版
ワーナー・ホーム・ビデオ (2006/07/14)