『ラリー・フリント』

kenboutei2006-04-23

以前、ワシントン研修中に観た映画。
メリーランド州のフレンドシップ・ハイツ近郊の、テーブル席で酒も飲める(上映中でもウエイトレスが運んできてくれる)変な映画館だった。
当時自分もビールを飲みながら観たのだが、過激な成人雑誌ハスラー』の発行人による言論の自由への戦いが描かれており、スラングや法廷での論争が多く、何を言っているのか全くチンプンカンプンだった。
時々、周りがドッと受けるのを理解もできずにスクリーンを眺め続けていたのを、今でも思い出す。みんな酒が入っているので、反応も激しかったなあ。
そんなわけで、一度、字幕入りでキチンと観直したいと思っていた。
オリバー・ストーンが製作に加わり、ミロシュ・フォアマンが監督とあっては、たかが知れていると思った当時の印象は、実は今回も同じだった。
それどころか、こんなに魅力的な人物を、どうしてこんなに凡庸に描けるのだろうとさえ思った。
ラリー・フリントのポルノ雑誌への傾倒を描くでもなく、妻との薬漬けの生活も表面的、法廷闘争にしても、単に事実をなぞっているだけで、全てにおいて深みが足りない。
唯一の救いは、妻役のコートニー・ラブが、今回再見してもやはり魅力的であったことくらい。
面白い素材が沢山あるのに、うまく語りきれない、下手くそな映画の典型。
アメリカで観た時は、そこまで思わなかったのになあ。
先日観た、『バカルー・バンザイ』の、田中邦衛似の宇宙人役の俳優が、ここでもフリントのスタッフとして登場していた。
今回ちょっとネットで調べたら、フリント本人の最近(といっても2年前)のインタビューがあった。(
顔写真もあったが、映画でも自分を裁く裁判長役(25年の実刑を言い渡す)でカメオ出演していたのね。
・・・他にも、アメリカ滞在時に観た映画については、DVDも安くなったことだし、できるだけ観直していきたい。(『シャイン』や『イングリッシュ・ペイシャント』とか)