1月歌舞伎座夜の部

歌舞伎座夜の部。充実した舞台。ここ数年で一番。
『鎌倉三代記』雀右衛門、舞台近くで観ても若々しい。菊五郎と共に形の美しさを堪能。いつもは熟睡する芝居だが、はじめて最後まで観通すことができた。(途中少しウトウトしたが)
『二人道成寺玉三郎菊之助の新演出。息を呑んで観るとはこのこと。おそらくは後々まで語り継がれる歴史的な舞台であった。4列目で観れて幸せであった。踊りはもちろん玉三郎の方に一日以上の長。裾が乱れないのが菊之助と比べて歴然。鐘への恨みも、菊之助は顔の表情を歪めて表現するが、玉三郎は表情は変えずに、顔の向きを下に落としてから視線を上げるその仕草で表す。恨みの深さが違う。しかし、菊之助も負けじと精一杯踊っていた。その緊張感が手に取るようにわかった。それを愛しみながら隣で踊る玉三郎。ユニゾンの幻想。夢の舞台だった。 
十六夜清心前二つに比べると物足りないが、新之助の初役というだけで、満足。まあ、これからだろう。 
しかし、鎌倉と道成寺はもう一度観たいものだ。道成寺は毎日行ってもいいくらいだ。(行けないが)