『次郎物語』

kenboutei2010-08-17

神保町シアターの子供特集。清水宏監督の『次郎物語』。昭和30年、新東宝
乳母の家で育てられた次郎が、実家に戻り、実母と、その死後に来た継母に馴染むまでの物語。
乳母が望月優子、実母が花井蘭子、継母は木暮実千代。次郎役は成長に従いダブルキャストで、初期の次郎は、『秋立ちぬ』の子役だったような気がする。
木暮実千代の登場がかなり遅いのが、やや期待外れ。
祖母役の賀原夏子が、次郎への冷淡さや没落していく本家の主としての虚栄を、実に自然に表現していて見事。(goo映画のキャスト一覧では、祖母役は高橋豊子になっていたが、間違いだろう。このサイトは、時々ミスがあるので、要注意。)
家を売り払い、町で酒屋になっても、決して落ち込むことなく、時代の流れとして受け入れている父親役の龍崎一郎も良かった。
病身で寝てるか泣いている実母の花井蘭子は、どこかサイレント映画の趣き。
次郎が継母の木暮実千代に、初めて「お母さん」と呼び掛け、木暮実千代がむせび泣くところで映画は終わる。字幕による解説で、この続きもあるような終わり方であったが、正直、あまり次郎の人生には興味は持てなかった。