五月国立文楽 一部

kenboutei2010-05-15

天気も良く、久しぶりに自転車で行く。皇居周辺のランナーのあまりの多さに閉口。(広くない歩道を、ストック持って歩いている一行も。ここはどこだ?)
祇園祭礼信仰記』金閣寺」と「爪先鼠」。歌舞伎ではお馴染みだが、文楽で観るのは、たぶん初めて。
文楽では、人物関係や背景等を詳しく説明してくれるので、とてもわかりやすかった。
また、「布団の上の極楽責め」だけでなく、雪姫に対する大膳らのセクハラ発言がぽんぽん飛び出すのも、文楽らしくて面白かった。
スケベ心満点の大膳に嫌がる雪姫のいじらしさが、勘十郎遣う人形の表情に表れていたのも素敵。
爪先鼠は、歌舞伎ほど桜の花びらは大量に降らず、鼠も小さい。鼠を描く時、足はどうするのだろうと思っていたが、結局足はつけず、着物の裾さばきで表現していた。
歌舞伎同様、金閣寺がセリ上がるのだが、三層になっていたのに驚いた。慶寿院は最上層の三階にいて、下へは、なんと竹に飛び乗って降りるのであった。
久吉に追い詰められた大膳は、自ら鉄格子の中に篭城(?)して、別れの大団円となるのも、実に新鮮であった。
清七の三味線の糸が途中で切れ、黒衣が慌てたように別の三味線を何丁も持ってきていて、緊迫の床となっていた。
人形同士が囲碁を打ったりするのが、可愛らしい。
『碁太平記白石噺』最初の「浅草雷門の段」の冒頭で、人形が手品をするのが面白かったが、その後はぐっすり眠ってしまった。(ちなみに切の「揚屋」は嶋大夫。)
『連獅子』夫婦の獅子と子獅子の三人。(楳茂都流によるものらしい。)毛振り付き。逆回転もする。