『ファンボーイズ』

kenboutei2010-05-02

スター・ウォーズ』の熱狂的ファンの若者たち(要するにオタクだ。)が、公開前の「エピソード1」観たさに、カリフォルニアにあるルーカスのスカイウォーカーランチに忍び込む、一種のロードムービー
アメリカ国内だけの公開だったのが、日本の一ファンが、ネットでの署名運動で日本上映を実現させたというのが新聞で紹介され、興味を覚え、昨晩、わざわざ渋谷まで観に行った次第。渋谷シアターTSUTAYA。(この界隈、何だか異界だ。)
新聞記事の印象から、自主映画に近いのかな、と思っていたのだが、それなりの金をかけた(といってもハリウッドの中ではおそらく微々たる予算であろうが)、ちゃんとした商業映画。
にもかかわらず、映画全体に、どことなく自主映画的チープ感が流れているのは、それがファン映画としてのテイストでもあり、魅力の根源でもあった。
ルーカスとの関係で言えば、『アメリカン・グラフィティ』に似ている感じもした。(出ている役者も、似ている。)
やたらと対立するトレッキーが、かなり醜悪に描かれているのは、日本のトレッキーとしては、気に入らない。(アメリカでは、「トレッキー」が蔑称となっていたのは知らなかった。)
キャリー・フィッシャーやランド・カルリシアンの人、ダース・モールの人だけでなく、ウィリアム・シャトナーまで出ていた。(しかもカーク船長は、主人公一行を目的地へ導く役だ。いいのか?それで。)
主役の太っちょの下ネタや、友人が余命わずかという設定は、今ひとつ効果的ではなく、根本的な人物造形不足感も否めないが、まあ、こういう映画に完成度を求めても仕方がない。
とはいえ、もう少し監督の力量があれば、もっと面白く、またより普遍性のあるドラマにはなったのに、と惜しい気持ちもないではない。

ファンボーイズ [DVD]

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(DVDで、特典映像なんかも含めて楽しむ方が、正しい見方なのかもしれない。)