『セーラー服と機関銃 完璧版』

kenboutei2010-03-28

昨日、『セーラー服と機関銃』を久しぶりに観て、その後いろいろネット検索していたところ、カット場面を加えた長尺の「完璧版」があったことが記されてあった。
ウィキペディアでは、三田佳子と共演したテレビドラマ『装いの街』とセットで上映されたとあり、そういえば、札幌でそれを観た記憶が甦ってきた。しかし、昨日観たもの以上に、覚えている場面があったかというと、どうも覚束ない。
たまたま数年前に、山野楽器のワゴンセールで半額で叩き売られていた『薬師丸ひろ子限定プレミアムBOX』を買っていて、その中にこの『完璧版』が入っていたので、さっそく確認鑑賞。
昨日観たばかりなので、追加された場面はだいたいわかった。

  • 部屋を荒らされた後、柄本明の刑事と喫茶店で、更に父親のことを聴く。道で拾ったサングラスを薬師丸ひろ子がかけたりする。
  • コンクリート漬けから救出された後の自宅マンション。風呂上がりのガウン姿で、ヒコの仇をとると、報復宣言。
  • 組事務所屋上でヒコの弔い、渡瀬恒彦と対立した後、街を歩く薬師丸ひろ子をメイが護衛。「構わないで」と薬師丸ひろ子
  • 渡瀬恒彦と風祭ゆきのセックスシーン、雨中の絶叫の後、薬師丸ひろ子は、寝室で夢にうなされている。翌日、目高組で今日のスケジュール確認。薬師丸ひろ子北村和夫の自宅へ盃事。ディナーの後、北村和夫に襲われるが、風祭ゆきが身代わりとなる。その後、再び目高組の事務所の場面となり、薬師丸ひろ子渡瀬恒彦は、金魚鉢を挟んで、まったりとした会話。
  • ふとっちょのアジトへ。最初に案内された部屋をウロウロ、キョロキョロ。そこにふとっちょの三国連太郎登場。「美しいお嬢さん、特に目がいい。」。
  • 三国連太郎、風祭ゆきとの食事場面。薬師丸ひろ子は、ふとっちょの好物が猿の脳みそと聞いて気分が悪くなり(猿の映像も挿入される。)、トイレへ中座。寺田農が引率。(この後が、渡瀬恒彦の救出場面へと繋がる。)

どの場面も、自分の記憶の中には殆どインプットされていなかった。やはり、自分の中での『セーラー服と機関銃』は、「非完璧版」のようである。
しかし、この『完璧版』もやはり魅力的ではある。特に、星泉と佐久間の関係を、よりクローズアップしている点が、面白い。『完璧版』の作成意義は、ここにあると思った。
渡瀬恒彦の佐久間が、風祭ゆきと関係があったからこそ、薬師丸ひろ子星泉は、佐久間への反発もあって、単身で北村和夫の盃事に行くのであった。佐久間と泉が事務所で照れながら金魚鉢の金魚の話をする場面は、とても味わいがあるのだが、ここを残すためには、レイプ場面も含めてまるまる繋げていかねばならず、相米監督は、泣く泣くカットしたのかもしれない。
ついでに、ボーナスディスク『薬師丸ひろ子カンペキ盤』を観る。ひょうたん三銃士の『センセーショナルHIROKO』は、実に高校時代の札幌の映画館以来だ。(曲もイメージも大体覚えていた通り。)
今から10年程前の、30代半ばの薬師丸ひろ子のインタビューもあり、一番想い出に残る場面として、やはりあのバイクの疾走の長廻しを挙げていた。新宿で一般車両を止めての一回きりの撮影だったため、失敗が許されなかったのだという。実は警察に逮捕されたスタッフもいたという裏話もあった。あの場面を観ると、それも不思議なことではないが、もし、今同じように逮捕者が出たなら、映画自体の公開が許されなかったことだろう。(嫌な世の中になったものだ。)
オマケでついている、六分の一サイズの特製・星泉仕様オリジナルセーラー服は、どう取り扱ったらよいのだろうか。

薬師丸ひろ子 限定プレミアムBOX [DVD]

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