『春を待つ人々』

kenboutei2010-02-17

中村登監督の『春を待つ人々』。昭和34年、松竹。
佐分利信参議院選挙に立候補。家族みんなで応援するも、過去の愛人や隠し子が暴露され、落選。
長女夫婦に鳳八千代佐田啓二、次女夫婦が小林トシ子と多々良純、三女夫婦は有馬稲子と田村高広。長男が川津祐介で、その恋人に岡田茉莉子佐分利信の過去の愛人が水戸光子、その子供たちに高千穂ひづると山本豊三。山本の恋人が桑野みゆき
選挙事務所の隣で料亭を営み、打算ずくで佐分利信を応援している女将が沢村貞子
この配役で「オールスター映画」とはどういうことかと、神保町シアターのスタッフに問い質したいところだ。話自体も何だか陰気でつまらない。
佐分利信佐分利信らしいのと、佐田啓二が絵描きで関西弁を喋るという設定がユニークだった点くらいしか印象に残らない。
チラシの解説によると、岡田茉莉子有馬稲子は当時ライバル同士で、それ故この共演は貴重ということらしいが、どうもピンとこなかったな。
ラストの方、海辺で二人が会話する場面がある。青空をバックにした有馬稲子は、確かに美しかったけれど。
むしろ、カラーで水戸光子を観ることができたことの方が、自分にとっては貴重だった。
佐田啓二夫婦が大阪から上京する時に乗った飛行機の航行シーンで、ミニチュア飛行機を使っていたのが、微笑ましい。(やはり、本当にオールスター映画なのか?)
山本豊三は、観ている時はずっとミラーマンの人(といっても痴漢の教授ではない)だと思っていたのだが、調べてみると違うようだ。