『モスラ』

kenboutei2009-12-12

ディアゴスティーニで発売している、東宝特撮映画DVDコレクションから、『モスラ』の巻を購入(1,990円)し、観る。(過去の経験から、ディアゴスティーニの商法に対抗するには、欲しいものだけつまみ食いするのが一番だ。)
昭和36年公開で、『モスラ対ゴジラ』に遡ること3年前の作品。
フランキー堺、小泉博、香川京子上原謙志村喬平田昭彦と充実の東宝俳優陣。もちろん、小美人はザ・ピーナッツ
それにしても、蛾の幼虫と成虫を怪獣に仕立てるというのは、結構単純かつ強引な発想(なんたって、「芋虫」と「蛾」が街を壊すのだ。)と思うのだが、これが東宝怪獣の代表格になっているのだから、いかに本作の出来が良かったかということであろう。
幼虫モスラが渋谷界隈を破壊しつくす場面は、実に精巧な特撮でつくづく感心する。特に破壊シーンをローアングルで撮っているところに、リアリティがあった。平成の新ガメラ・シリーズでの特撮が、ローアングルのショットで新鮮さを出していたのだが(といっても、実は一本も観ていないのだが)、その原点はこの『モスラ』にあったのではないだろうか。
折れた東京タワーに繭を作る場面は、絵的なインパクトとしては、国会議事堂を壊す『ゴジラ』より上だと思う。
謎の島への探検、そこから連れてきた生物(小美人)を見せ物にし、やがて都市破壊に至る筋立ては、基本的には『キング・コング』である。
最後のニューアーク市の破壊は付け足し感があったのだが、この映画は日米合作であったため、アメリカ側の要請で挿入されたらしい。それでもただ飛んでいるだけで橋やビルが吹っ飛んでしまう、成虫モスラの恐ろしさは十分堪能できる。
捕えられて日本のショーで歌わされる小美人のザ・ピーナッツだが、和服姿でのレビューがあったりして、プチ・ミュージカルとしても楽しめた。

モスラ [DVD]

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