神保町と文楽の水墨画

kenboutei2007-11-03

だんだん一杯になってきた書棚を整理、文庫本を中心に数十冊、青いビニール付紙袋に詰め込んで、自転車を漕ぐ。
いつも神保町に向かう途中で、たしかブックオフがあったはずだと思っていたのだが、今はもうなくなっているようで、結局神保町の古書店で買い取ってもらう。(本を売ったのは、会社の寮にいた頃以来なので、ほぼ10年振りのこと。) 計1,500円が高いか安いかは良くわからないが、古本屋は案外うまい商売だなあと思った次第。
ついでだったので、最近、自分の周囲で話題になっている、歌舞伎関係の書籍が大量に安く置いてあるという、謎の古本屋を探してみる。大体は住所と地図で把握していたので、しばらくウロウロしていたら、見つかった。
学生の下宿先のような二階の部屋に入ってみると、そこは本屋というより、物置。足の踏み場もなく、店主も、一見さんが何しに来たの、といった感じだったので、5分ほどで退出。確かにいろいろありそうだったが、もうあまり行く気がしないな。もっと気さくに店主と話せたら、また別の展開になっていたかもしれないが。
その後、日本橋本町の小津和紙ギャラリーで開催していた、『文楽を描く 日本とドイツの表現』と題した、今岡琴子とイーリス・ホイアイスの二人展へ。これは古本で重い紙袋をぶら下げ、のろのろと自転車で神保町へ向かっている途中、偶然見つけたので、帰りに寄ってみたもの。
中へ入ると、文楽人形を筆の勢い良く描く水墨画と、同じく文楽を題材にした、千代紙や色紙などを駆使して描く、色鮮やかなパネルが展示されていた。前者が今岡琴子女史、後者がイーリス・ホイアス女史の作品。
即売もしていたが、結構なお値段。手持ちの金で買えないこともなかったが、今後の出費を考慮して我慢。しかし、文楽をテーマにした絵画を手に入れる機会などはめったになく、観ているうちに何か欲しくなり、8,000円で売っていた、栗の木の板に墨で文楽人形(「岡崎」の政右衛門のような首の立役人形であった。)を描いた作品を購入。会場で知人と雑談しておられた今岡先生が直接売って下さった。一緒に置いてあった作品集も4,000円で購入。

水墨画・情念を描く (水墨画の達人シリーズ)

水墨画・情念を描く (水墨画の達人シリーズ)

1,500円の収入に気を良くして、12,000円の出費をしてしまった。(でも、結構満足している。)