長十郎追悼記事

演博の閲覧室にあった『演劇界』のバックナンバーから、長十郎の亡くなった頃の記事を探してみる。
昭和56年の11月号か12月号に、野口達二の「河原崎長十郎を悼む」という記事があった。
わずか1ページで、写真も白黒の小さなもの。追悼特集のようなものがあるのかと期待していたのだが、ほとんどベタ記事のような扱いであった。(この時期の演劇界は、高麗屋の三代同時襲名が大きな話題となっていた。目出たい記事の片隅で、ひっそりと寂しい、長十郎の死であったのだなあ。)
もともと前進座の記事は少ない雑誌ではあるが、翫右衛門と袂を分かってからの長十郎は、世間的にも完全に過去の人になっていたのだろう。
その記事をコピーして帰る。10円で済んだ。