早稲田演博「大阪歌舞伎展」

kenboutei2005-12-17

午後、早稲田。ついでに演劇博物館でやっている、「大阪歌舞伎展」を観る。
上方の役者絵をじっくり観るのは今回が初めて。三代目歌右衛門と、そのライバル初代嵐璃寛が中心。歌右衛門は国貞の絵などでもお馴染みだが、同じ役者でも上方ではそのタッチが異なっており、その違いが面白かった。上方では贔屓連中の振る舞いもユニークで、舞台に上がって役者を褒めたり、その姿をわざわざ錦絵にしたりしている。歌右衛門の絵や出版物など、歌右衛門に関するものを何でもスクラップして納めた一つの箱も展示してあり、やっぱり昔から日本人はオタクだったのである。他には、忠臣蔵の役者絵が枕絵になっている珍しいものもあった。由良助のイチブツにおかる(お石?)がタッチしている絵で、顔は役者の顔なのだから、今ならさしずめアイコラである。やはり日本人は変わっていない・・・。
上方絵は、これまであまり縁がなく、文献などで目にしても、江戸の錦絵に比べてどこか稚拙な印象を持っていたのだが、今日多くの展示物に触れて、かなり立派で丁寧な作品もあり、認識を新たにした。それにしても、東京では現物を見たことはないが、大阪では今も出回ってるのかな?