「綱大夫四季」

山川静夫『綱大夫四季 昭和の文楽を生きる』(岩波現代文庫)読了。先代綱大夫の評伝。新義座や因会・三和会の分裂時代、櫓下騒動など、一連の文楽界の歴史的事件と綱大夫との関係がよくわかったのが収穫。遅れてきた文楽ファンにとっては、特に過去のゴシップ的な話は、普通の解説本等ではよくわからないことが多い(これは歌舞伎もそう)。この本で初めて知ったこともたくさんあった。また、綱大夫と山城少掾との師弟愛の深さも。