映画

『時をかける少女』

シネスイッチ銀座で、ご存知『時をかける少女』を観る。先年の細田監督によるアニメ化に続く、劇場版最新作。谷口正晃監督。今回は、細田版で真琴の声を担当していた、仲里依紗が主演の実写版。(筒井康隆の『時をかける少女』は、もはやアイドル女優の登竜…

『セーラー服と機関銃 完璧版』

昨日、『セーラー服と機関銃』を久しぶりに観て、その後いろいろネット検索していたところ、カット場面を加えた長尺の「完璧版」があったことが記されてあった。 ウィキペディアでは、三田佳子と共演したテレビドラマ『装いの街』とセットで上映されたとあり…

『セーラー服と機関銃』

神保町シアター。今回の乙女映画特集の、個人的には最大の目玉、『セーラー服と機関銃』を観る。 薬師丸ひろ子は、自分と同年代。そして高校生の時のあのブームに、自分も嵌ってしまった一人である。アイドルなどには全く興味がなかったのに、気がつくと角川…

『春琴抄』

神保町シアターの乙女特集で、西河克己監督の『春琴抄』を観る。言わずと知れた、百恵・友和「ゴールデンコンビ」によるもの。といっても、百恵友和映画を観るのは、自分は初めてなのだが。昭和51年の東宝作品。 今回の谷崎の映画化は、割合原作に忠実な、オ…

『阿波の踊子』

連日の神保町シアター、乙女特集。今日はマキノ正博の『阿波の踊子』。昭和16年の東宝。 冒頭、徳島の人形遣いによる、阿波の十郎兵衛の話から始まる。が、何故か十郎兵衛が海賊である、ということになり、それを聞いていた女の子が、「嘘、嘘」と抗議。その…

『処女が見た』

神保町シアターの乙女映画特集。三隅研次監督の『処女が見た』(何というタイトルだ。) 昭和41年の大映京都。 不良少女の安田道代が、若尾文子の若い尼に預けられ、最初は反抗するが、高貴な人柄に惹かれ、更生していく。しかし、若尾文子の方は、若山富三…

『インビクタス』

会社帰りに、有楽町マリオン、丸の内ピカデリー。 イーストウッドの新作『インビクタス』を観る。 アパルトヘイト政策終焉後、大統領に就任したネルソン・マンデラと、彼が国の融合として推進するラグビーW杯での南アフリカ代表チームの活躍を描く。 マンデ…

『巨人傳』

神保町シアターで『巨人傳』。伊丹万作監督、昭和13年の東宝作品。一昨日歌舞伎座の帰りに立ち寄る。 今回の神保町シアターの特集は、「乙女映画」ということで、高峰秀子や若尾文子、吉永小百合などは言うに及ばず、山口百恵や薬師丸ひろ子、斉藤由貴など比…

『ラブリーボーン』

丸の内ピカデリー3でピーター・ジャクソンの『ラブリーボーン』を観る。松竹系なので、歌舞伎会カードで1,000円。 「ボーン」というのは、英語でbones、すなわち骨で、だからタイトルは「可愛い骨」という意味であった。(観る前までは、bornの方だと思って…

『新・平家物語 義仲をめぐる三人の女』

人間ドックの帰り、神保町シアターへ。今日は『新・平家物語 義仲をめぐる三人の女』。衣笠貞之助監督。昭和31年、大映。 木曽義仲の京入りを描く。義仲をめぐる三人の女とは、巴御前の京マチ子、義仲に仕える傭兵女・山吹の山本富士子、公家の姫・冬姫の高…

『惜春鳥』

神保町シアターで木下恵介監督の『惜春鳥』を観る。昭和34年の松竹映画。 会津若松へ向かう列車の中で、川津祐介と佐田啓二が出会う場面から始まる。 ともに東京からの帰省のようだが、お互いに暗い過去を持っている。 川津祐介は今では地元に身寄りはなく、…

『千客万来』

神保町シアターのオールスター特集。中村登監督の『千客万来』。昭和37年の松竹映画。 脚本に野田高悟、撮影が厚田雄春、出演は佐田啓二、岡田茉莉子、岩下志麻、三宅邦子・・・と出てくると、どうしたって小津安二郎の映画とダブるわけだが、実際、ストーリ…

『ロスト・イン・トランスレーション』

コッポラの娘が監督した『ロスト・イン・トランスレーション』を観る。 来日した米国の中年映画俳優と、同じく東京で仕事をしている米国人についてきた若妻が、お互いの疎外感から惹かれ合う恋愛映画。 映画俳優がビル・マーレイ、若妻がスカーレット・ヨハ…

『春を待つ人々』

中村登監督の『春を待つ人々』。昭和34年、松竹。 佐分利信が参議院選挙に立候補。家族みんなで応援するも、過去の愛人や隠し子が暴露され、落選。 長女夫婦に鳳八千代と佐田啓二、次女夫婦が小林トシ子と多々良純、三女夫婦は有馬稲子と田村高広。長男が川…

『東京の休日』

連日の神保町。今日は『東京の休日』を観る。山本嘉次郎監督。昭和33年の東宝映画。 李香蘭こと山口淑子の引退記念作品。ファッション・ショーやレビュー形式で、東宝俳優陣を惜しげもなく投入、これぞまさしくオールスター映画。看板に偽りなし。(先日観た…

『沈丁花』

神保町シアターの、オールスター映画特集。『沈丁花』。昭和41年の東宝映画。千葉泰樹監督。 四人姉妹のうち、婚期の遅れた長女と次女の、結婚騒動。 長女は京マチ子、次女は司葉子。既に結婚して赤ん坊もいる三女が団令子、ちょうど結婚したばかりの四女が…

『美貌に罪あり』

神保町シアターは、「オールスター映画 夢の祭典」という特集に変わった。(同時並行的に、ドラえもんの特集もやっている。ここがターゲットとする客層は、年寄りだけではないらしい。) 今日は、昭和34年の大映オールスター映画、『美貌に罪あり』を観る。…

『乱れる』

成瀬監督の『乱れる』を観る。神保町シアターの高峰秀子特集。 戦争未亡人の高峰秀子に、義弟の加山雄三が思いを寄せる。 嫁ぎ先の家が、日用品も売っている酒屋だったり、登場人物が突然物語から姿を消してしまう(スーパーマーケットの進出で売り上げが減…

『六條ゆきやま紬』

神保町。松山善三監督の『六條ゆきやま紬』。昭和40年。 高峰秀子は、裏日本(多分)の豪雪地帯の温泉芸者で、伝統工芸「ゆきやま紬」の老舗六條家の当主(神山繁)に見染められて嫁ぐが、夫は工場拡張の借金苦で自殺してしまい、元々結婚に反対していた姑ら…

『永遠の人』

神保町シアター、高峰秀子特集で、木下恵介監督の『永遠の人』。昭和36年の松竹映画。 阿蘇山の麓の小さな村を舞台にした、戦前から戦後にかけての女性の一代記。 戦地で足を負傷して帰国した大地主の息子・仲代達矢が、使用人の娘である高峰秀子に求婚。高…

『女の園』

神保町シアターで『女の園』を観る。木下恵介監督の昭和29年、松竹映画。 別名、『誰が芳江を殺したか』と名付けたくなるような、女子大で起こった紛争の悲劇を描く。 実際に京都であったという、女子寮の規則をめぐる学生と学校側の対立が、その頃のレッド…

『煙突の見える場所』

神保町シアター。五所平之助監督の『煙突の見える場所』。昭和28年の作。 東京の下町から見える、4本の巨大な煙突が、見る場所によっては、1本に見えたり、2本、3本に見えたりするという話から、物事の本質も、見方によって変わることをエピソードを通じ…

『雁』

神保町シアターの高峰秀子特集。11日に『雁』を観る。昭和28年、豊田四郎監督。意外にも大映映画。原作は森鴎外。(「かり」ではなく「がん」と読むらしい。) 日本映画のお得意ジャンル(?)である、「お妾映画」。 いきなり、どアップで皺だらけの飯田蝶…

『稲妻』

10日、国立劇場の帰りに神保町へ寄る。 成瀬巳喜男の『稲妻』。 冒頭は、『朝の波紋』と同じ銀座のショットから。これだけでもう嬉しくなる。そして、その銀座を走るはとバスのバスガイドが、高峰秀子なのだ。 『秀子の車掌さん』では、田舎でデビューしたて…

『吸血鬼ゴケミドロ』(と、高英男)

9日に、歌舞伎座昼の部の後、銀座シネパトスのレイトショーで観る。(時間までは京橋の図書館とプロントでヒマをつぶす。) 歌舞伎もやってる松竹の作った、貴重な特撮SF映画。名前だけは知っていたが(何たって、「ゴケミドロ」だ。)、観るのは初めて。昭…

『朝の波紋』

今年最初の神保町シアター。五所平之助監督の『朝の波紋』を観る。昭和27年の新東宝映画。 オープニングに、晴海通りを日比谷から銀座方面へ向かって、ゆっくりとした移動撮影があり、釘付けとなる。国鉄の高架下を通り、遠くに和光ビル、すぐ左手には、マリ…

『戸田家の兄妹』

恒例の「小津初め」。今年は、『戸田家の兄妹』を観る。昨年観た『淑女は何を忘れたか』の次の作品。 かつて、学生時代に札幌のどこかの会館(厚生年金会館だったかな?)の視聴覚室のようなところで観て以来。 当時はちょうど小津に嵌りかけた頃。もっぱら…

『花つみ日記』

神保町シアター。昭和14年、石田民三監督。 大阪の女学校を舞台に、置屋の娘の高峰秀子と、東京から転校してきた清水美佐子との友情を描く。 高峰秀子15歳。『綴方教室』の翌年の作品だが、すっかり大人びた感じ。セーラー服姿がまぶしい。(『綴方教室』の…

『我が家は楽し』

神保町シアターの高峰秀子特集で、『我が家は楽し』。昭和26年の松竹映画。中村登監督。 笠智衆・山田五十鈴夫婦に、長女の高峰秀子、次女の岸恵子、他に幼い弟・妹の6人家族。 笠智衆はサラリーマン、山田五十鈴は内職で家計を支え、画家を目指す高峰秀子…

『アバター』

出張の札幌で時間ができたので、駅前のシネコンで観る。ジェームズ・キャメロン監督の話題の3D映画。なんと160分。初回割引が3D料金加算で相殺され、結局1,500円。 入り口で3D用の眼鏡をもらう。子供の頃に観た3Dでは、紙にセルロイドのフィルムを貼付け…