文楽

今日の文楽放送

NHKハイビジョンで、文楽の忠臣蔵の通しを10時間にわたって放送するという、画期的な試み。平成16年11月の、大阪文楽劇場での公演を中心としていた。この公演は、自分も遠征していたので、思い出深い。 ところが、四段目の「判官切腹の段」だけは、平成12年…

神保町と文楽の水墨画

だんだん一杯になってきた書棚を整理、文庫本を中心に数十冊、青いビニール付紙袋に詰め込んで、自転車を漕ぐ。 いつも神保町に向かう途中で、たしかブックオフがあったはずだと思っていたのだが、今はもうなくなっているようで、結局神保町の古書店で買い取…

『江戸音楽の巨匠たち』

紀尾井小ホールで、『江戸音楽の巨匠たち〜その人生と名曲』。 3回シリーズで今回がその第1回。たまたまネットでこの公演を知り、特に竹内道敬と渡辺保の対談に惹かれて購入。 今回のテーマは「義太夫節」。ということで、綱大夫、清二郎による『国性爺合…

玉男一周忌追善・九月文楽公演

九月の国立・文楽公演は、吉田玉男の一周忌追善。今日が千秋楽で、ちょうど、玉男の命日でもあった。(あの日も、ここに来ていたのだった。) 一部は、『夏祭』の通し。観ている方も通しでウトウト。 初めて観る「道行」と「団七内」が面白かった。特に道行…

清治VS住大夫『闘う三味線 人間国宝に挑む』

先日の、鶴澤清治『芸の真髄』公演の舞台裏を取材したドキュメント、NHKのハイビジョン特集『闘う三味線 人間国宝に挑む 文楽 一期一会の舞台』を観る。 十数年振りの共演となった、住大夫と清治。「阿古屋」を題材として、太夫・三味線弾きの駆け引きがスリ…

住大夫三夜・第二夜「引窓」

紀尾井小ホールで「住大夫三夜」と題した住大夫の素浄瑠璃の会。演目は『引窓』で、三味線は錦糸。浄瑠璃の後、住大夫と山川静夫の対談。「第二夜」とあるのは、去年から始まった企画の二年目という意味で、来年で完結するらしい。(去年の「第一夜」では何…

五月国立・『絵本太功記』通し

文楽東京公演は今日が千秋楽。今回も満員御礼の看板。 14年振りという、『絵本太功記』の通し。その舞台をリアル・タイムでは観ていないが、ちょうど文楽に関心を持ちだした頃で、たまたまNHKで放映された文楽公演が、この時の通しだった。その放送は録画し…

『文楽太棹 鶴澤清治』

国立劇場で、NHKエンタープライズ主催の「芸の真髄」シリーズ。その第一弾として、「文楽太棹 鶴澤清治」の会。(第二弾以降が何なのかはよく知らない。) 終業後すぐに行こうと思ったら部長に呼び止められ、開始30分前に会社を出る。地下鉄は乗り継ぎが不便…

マーティ・グロス『冥途の飛脚』

午前中にプールで泳いだ後、和楽舍という、住大夫のCD販売のために、素人のおばさん(らしい)が作った法人が企画した、映画上映会に行く。 元々は、昨年亡くなった吉田玉男を偲ぶ企画として、この3月に、弟子の玉女を招いたトークと一緒に学士会館で上映す…

2月文楽公演 一部〜三部

連休最後の日。自転車で三宅坂。東京マラソンを控え、皇居前はさぞ沢山の人が走っているのだろうと思っていたのだが、それほどでもなかった。 国立劇場の前庭には、開場三十周年記念に玉男、住大夫らで植樹した紅梅、白梅が、もう咲いていた。 今月は、時代…

国立劇場・文楽 鑑賞教室と「千本桜」

鑑賞教室は、『火の見櫓』と『重の井』。「火の見櫓」は、もう何度もこの鑑賞教室で観ているような気がする。「重の井」は、ほぼ寝ていた。津駒大夫の高音が、心地良い子守唄となってしまった。調姫を遣った玉若が、まだ姿勢もままらなかった。 解説の相子大…

山城の「長時間レコード」

実は歌舞伎座向かいのレコード店から案内があったのだが、アマゾンにもあったので、こちらで予約。 それにしても、「長時間レコード」だけで、中味をいっさい紹介せずに売るとはどういうことだ? 山城少掾ファンなら知っていて当然、ということか? よくわか…

吉田玉男の死

先日の文楽の感想を、その日のうちにアップできずに終わり、翌日出社して、吉田玉男の死を知り、茫然となる。 報道によると、24日の午後零時12分に亡くなったとのこと。 ちょうど、国立劇場では、裏門の段に入った時刻。この後昼休みを挟んで、午後1時過ぎ…

文楽・忠臣蔵通し

9月国立劇場文楽公演・千秋楽。3部構成での忠臣蔵の通し。朝10時30分開始、夜9時30分終了。かなりくたびれたが、それでも集中力が切れなかったのは、やはり忠臣蔵の面白さによるものだと、つくづく思った。 ロビーに入ると、嶋大夫、文吾の休演と並んで、…

山城・綱の「山の段」

アマゾンを覗いていたら、発見。即クリック。文楽の世界「妹背川女庭訓」「山の段」posted with amazlet on 06.08.03豊竹山城少掾 竹本綱大夫(八世) 鶴澤藤蔵 竹澤彌七 コロムビアミュージックエンタテインメント (2006/07/19)Amazon.co.jp で詳細を見る先月…

5月文楽 燕三襲名、簑助の深雪

燕二郎の燕三襲名で盛況の千秋楽。一部・二部を通しで観る。 『寿柱立万歳』に続き、燕三襲名披露の演目は、『逆櫓』。大夫は咲大夫。 派手な曲で襲名には相応しかったと思うが、感銘を受ける程ではなかった。 演奏前に、床の上から、住大夫が口上を述べる。…

国立・文楽『天網島』

雨の三宅坂。第三部『天網島時雨炬燵』を聴きに行く。 近松の『心中天網島』の改作版。昔はこちらの方がポピュラーだったようだが、最近は原作重視傾向が強かったせいか、通しでこの改作版を観るのは、自分は初めてかもしれない。 住大夫の「河庄」。今月は…

2月文楽公演 一部・二部

2月の文楽、国立劇場。冬の寒さに出掛けるのがだんだん億劫になってきて、ぎりぎりまで部屋にいて、タクシーで三宅坂まで。帰りは地下鉄。 第一部 『弁慶上使』十九大夫。語り口がこの段に合っているのか、面白く感じた。十九大夫の声量が弁慶の大きさをよ…

大阪遠征・国立文楽劇場

久しぶりの大阪日帰り文楽。前回は一昨年の11月だった。 昨年秋より体調不良で東京に来れなくなった吉田玉男が気がかりで、できるだけ早いうちに遠征しよう思い、今回ようやく行けたのだが、結局玉男は今月も休演だった(→)。(来月の東京公演も休演らしい…

12月若手公演『一谷嫩軍記』

引き続き本公演。今回は一谷嫩軍記の半通し。 「組討」の松香大夫が熱演。ともすると音程が外れがちになる大夫だが、今日は良かったと思う。 更に充実していたのが「陣屋」。千歳大夫、文字久大夫と分けて語っていたが、共に気合いが入っており、聴いていて…

文楽鑑賞教室『野崎村』

有給休暇を取って、三宅坂へ。今回は休日のチケットがとれなかった。 「五条橋」、解説の後、「野崎村」。今日はBプロで、前が津駒大夫、燕二郎、後に呂勢大夫、清二郎。個人的にはAプロよりも好きな布陣。津駒は、久作が良くない。逆に呂勢は、久作が良い…

文楽素浄瑠璃の会

住大夫の「勘平腹切の段」。お軽との別れは省き、与市兵衛の死体を狩人が運んでくるところから。これも普通の出し方なのかもしれないが、六段目の素浄瑠璃くらいは最初から語ってほしいもの。50分程の語りは、内容も含め、正直言って物足りなかった。ちょう…

玉男のいない文楽公演

千秋楽、通しで観る。吉田玉男は、初日から休演だったそうで。(→)全く知らなかった。台風の影響で強い向かい風の三宅坂を自転車で上ってきただけに、余計に力が抜けた。 第一部 『芦屋道満大内鑑』初めて観る。歌舞伎でお馴染みの「葛の葉子別れ」に至るま…

国立劇場文楽五月公演

千秋楽。いつものように満員御礼の国立劇場小劇場。最近は和服の比率が高くなっているような気がするが、これも異常ブームの一現象か。 第一部 『盛綱陣屋』「上使の段」は英大夫、清友。床からすぐ近くで聴いていたが、久し振りに生で感じる三味線に心地よ…

文楽 二月国立劇場

疲れる疲れると言いながら、今回も一部から三部まで通しで観たのは、三宅坂の坂を自転車で何度も通いたくないからでもある。(特に冬場はつらい) 第一部 『源平布引滝』歌舞伎でよく観る「実盛物語」だが、九郎助内の前に、小万の立回りがあって、結構面白…

文楽 「菅原伝授手習鑑」「俊寛」

12月恒例の若手公演と鑑賞教室。若手公演は、「菅原伝授手習鑑」の半通し。初めて観る道行と、3段目を茶筅酒から丁寧にやっていたのだが、ほとんど寝ていた。鑑賞教室の「俊寛」も同じ。千歳大夫と清介という、自分の好きな大夫と三味線だったのに、気がつ…

国立文楽劇場「仮名手本忠臣蔵」

というわけで、昨日、日帰りで大阪へ行き、日本橋の国立文楽劇場で『仮名手本忠臣蔵』の通し。大阪への文楽日帰り遠征は、二年振り。 以下、思いつくまま。 第一部は午前10時30分から午後4時まで。途中25分と5分の2回の休憩だけで、実質5時間かけて、大…

大阪日帰り文楽

大阪国立文楽劇場へ、日帰りで行く。疲れた。感想は明日以降。

素浄瑠璃の会

国立劇場小劇場で「文楽素浄瑠璃の会」。当日券補助席。ここ数年、異常人気で前売りが入手できない。まあ、素浄瑠璃なので別に舞台に近くなくてもいいわけだが。 まず、津駒大夫と寛治で「壺坂観音霊験記」。津駒大夫は好きな大夫だが、「壷坂」そのものの内…

文楽「引窓」「重の井」 

出発前に自転車がパンク。慌ててタクシーで国立へ。余計な出費をしてしまった。 今回も第一部、第二部通しで観る。午前11時から午後8時30分まで。疲れた。 一部は『双蝶々曲輪日記』の通し。眼目はやはり『引窓』だが、住大夫の語りはあまり良くなかったよ…